自動車パワートレイン向けアルミ合金加工で高生産性を実現
多くの産業と同様に、自動車メーカーとそのパートナー企業(ティア1、ティア2)は1つの転換に直面している。気候変動および環境への意識をますます高めている消費者の期待により、製造業者には新しい低エミッションおよびゼロエミッション車の開発が求められているのだ。とは言っても、昔からの内燃エンジンが表舞台から姿を消すまで、まだしばらく時間がかかるだろう。複合材などの最先端素材による軽量化は、重要なアプローチの1つだ。従来型あるいは新しい革新的な自動車の両方において、競争力の高い製品提供を模索する製造業者にとって、リサイクルのしやすさから、アルミ合金も魅力的な選択肢となっている。サンドビック・コロマントは、高い革新力と重点的な取り組みにより、自動車産業セグメントおよび工作機械メーカ (MTM) に特化した、高生産性のソリューションを提供している。
フライス加工ソリューション
サンドビック・コロマントは、アルミ合金製自動車部品用フライスカッターの幅広いラインナップを取り揃えている。
M5Q90は、フライス加工コンセプトのM5製品ファミリーに属する、キューブ加工の専門工具で、新しく鋳造された部品に初期段階の荒加工できれいな加工面を実現するために設計された。この刃先交換式肩削りカッターは、ツールボディの径方向の外周のみに刃先を備えている。PCD縦置きチップによるスムースな切削アクションで、所要動力を低減し、びびりの発生を最小限に抑えることが可能となり、信頼性の高い工具性能と長い工具寿命が得られる。これらの特長により、このカッターはシリンダーヘッド、エンジンブロックや同様の部品加工向けの第一推奨となっている。M5Q90カッターは、お客様の加工用途に合わせたテーラーメイドで提供される。
M5R90は、 肩削り加工における荒加工および中仕上げ加工用コンセプトで、63~250 mm (2.48~84 inch) のカッター径に対応できる。 鋼製カートリッジにロー付けされたPCDチップは再研磨することができ、軸方向の調節が可能で、最大8 mm (0.315 inch) に対応する。コーナRは、使用するカートリッジに応じて、0.4および0.8 mm (0.016 / 0.031 inch) の2種類から選択できる。M5R90は信頼性が高く、扱いやすいフライスカッターで、卓越した加工面品質(粗さが4Rz以上)が求められる場合は、M5B90との組み合わせにより最適な性能を発揮する。
M5C90コンセプトは、ベースとしているM5B90同様、バリ、スクラッチや欠損が発生しない、スムーズな切削アクションを提供する刃先交換式フライスカッターで、刃先は段付きの構成になっている。M5B90と異なるのは、外径に追加のチップが1列、接線方向に配置された点で、1回の加工で荒加工と仕上げ加工が行える設計により、高いコスト効率を実現する。一般的な加工部品はM5B90と同じで、シリンダーヘッド、ブロック、カバーや被削材への切込みが大きい、その他のアルミ合金製部品だ。M5C90カッターは、お客様の加工用途に合わせたテーラーメイドで提供される。
M5B90正面フライスカッターコンセプトは、シリンダーヘッド、ブロック、ハウジング、カバーや被削材への切込みが大きい、その他のアルミ合金製部品の超仕上げ加工で、優れた性能を発揮する工具だ。刃先交換式チップの採用により、ブローチ加工に似たユニークな切削アクションを実現し、高さが次第に大きくなるように径方向および軸方向にチップを配置することで、各チップが前のチップよりも若干深く切り込むようになる。これによって、各チップの取代が最小限に抑えられ、バリ発生のないフライス加工が得られる。ワイパーチップは1つのみで、最後のポジションで使用することにより、卓越した加工面品質が実現できる。チップ当たりの切りくず排出量が抑制されるため、工具寿命もさらに長くなる。M5B90カッターは、お客様の加工用途に合わせたテーラーメイドで提供される。
M5F90は、薄肉アルミ合金部品のワンショット加工専用に設計された正面フライスカッターだが、スポットフェース加工や被削材への切込みが大きい加工でも使用でき、M5B90およびM5C90と同様に、段付きコンセプトをベースとしている。カッターボディ(径 25~80 mm/0.98~3.15 inch)とロー付けされたPCDヘッドとの組み合わせにより、びびり傾向を最小限に抑えた高送りが可能だ。各チップに、荒加工用刃先 (外径) と仕上げ加工用刃先 (端面径) の両方を装備しているため、1回の加工で部品の仕上げまで行うことができ、卓越した加工面品質が得られる。一般的な加工部品としては、ギアボックスケーシング、ハウジングやその他の薄肉部品が挙げられる。

非鉄金属 (ISO N) 加工用ソリッド工具
自動車部品は、通常、量産部品で、複雑な形状の穴が多いため、最大限の生産性、長い工具寿命や低い穴当たりコストを達成するために、最適化された穴あけ工具の使用することが多い。
CoroDrill® 400は、複雑な段付き加工、面取り、R形状の加工やステップ比が大きい加工用に設計されたストレートフルートドリルで、3~25 mm (0.118~0.984 inch) の径範囲に対応する。最大でドリル径の8倍の深さの穴あけを行うことができ、主な特長としては、容易な切りくず処理、高い穴真直度や優れた加工面品質が挙げられる。この製品ファミリーでは、超硬ドリルおよびPCDドリルの両方を取り揃えており、パワーフィーダー用および金属重ね板加工用の一体焼結PCDドリルも入手できる。
CoroDrill® 430は、 3本のスパイラルフルートを備えた下穴加工用(または既存の穴の拡張用)の超硬ドリルで、径および加工穴深さの範囲はCoroDrill® 400と同じだ。頑丈な作りにより、入り際/抜け際が不均等な穴に効果的で、バリ発生や剥離のない加工が得られる。CoroDrill® 430は、厳しい加工条件下でも、優れた穴サイズ制御と真直度を提供する。
アルミ合金製のエンジン部品では、ねじ切りソリューションとして転造タップによる加工が好んで使用されるが、この加工向けの第一推奨が、切りくずの出ない転造タップのCoroTap® 400だ。製品ファミリーでは、貫通穴と止まり穴の両方が可能な、汎用性、最適化およびカスタマイズソリューションを取り揃え、ほとんどのネジ形状と規格に対応している。
パワートレイン部品に使用されるアルミ合金
ヨーロッパの乗用車用パワートレインには、通常、約80 kgのアルミ合金が使用されているが、これは、エンジン、ギアボックス、サスペンション部品、ハウジングなどの構成部品が、明らかに軽量化の対象となっていることを意味する。
軽量化に関しては、エンジンおよびインテークマニホールド、ウォーターポンプなどのアクセサリが、自動車部品では最も重要なグループで、平均的な車両の総重量の3~4%を占めている。従来の鋳鉄をアルミ合金に置き換えると、強度はネズミ鋳鉄に比べて低下するものの、エンジンブロックの重量を最大40~55%減らすことができる。
いくつかのトランスミッション部品、特にギアボックスハウジングやリアアクスルは、アルミ合金が好んで使用される駆動系部品の代表的な例だ。
自動車産業ソリューション