加工:2軸ランピングおよびヘリカル加工

良好なランピング/ヘリカル加工とは



ランピング加工は、閉鎖溝/ポケット/キャビティの加工時に一般的に使用されている、ワークへの効果的なアプローチ方法で、ドリルを必要としません。
ランピング加工の定義は、軸方向 (Z) といずれかの径方向 (XまたはY) への同時送り、すなわち、2軸ランピング加工です。
ヘリカル加工 (円弧補間、スパイラル補間、軌道補間などとも呼ばれます) は、軸方向送り (Z) とともに、定義されたピッチで円軌道 (XおよびY) を描く同時移動です。穴あけ加工の代わりにも使用されます。
ヘリカル加工は、径方向切込みが小さく、より円滑な工程であるため、常にランピング加工 (フル溝加工) より推奨されます。純粋なダウンカットが可能で、切りくず排出量も増大します。反時計回り回転で確実にダウンカットが行われます。
2軸ランピング加工
ランピング加工の適用方法難しい切削工程
ランピング加工には、同時に行われる3つの切削工程があります。
1) 主切れ刃による外周切削。
2) 主切れ刃による底面切削。
3) 副切れ刃による底面切削。
切削抵抗は、軸方向と径方向の両方にかかります。
また、フル溝加工により工具に追加応力が加わります。そのためae=Dcとなり、送り分力は大きくなり切りくずは長くなります。



加工
推奨事項
- 送りを通常の75%に下げます。
- ランピング加工の直後に溝フライス加工を実行する場合は、カッター径に対応する長さだけ、副チップが切削を停止するまで低送りを継続することが重要です
- 切りくず排出を促進するため、切削油を使用します
- 接触領域を低減するため、工具の半径を低減します。
- ヘリカル加工への接近が限定されている場合は、ランピング加工を、幅30 mm未満の狭い溝に制限する必要があります。
プログレッシブランピング加工
複数パスのランピング加工で、深い溝を作製する場合は、一方向のランピング加工 (単一パスランピング加工) ではなく、双方向のランピング加工 (プログレッシブランピング加工) によって簡単に生産性を高めることができます。
注意: 最大ランピング角度でカッターを送る場合は、カッターを感覚hだけ持ち上げてから、方向を変える必要があります。これにより、カッターボディの中央部への損傷を防止できます。

単一パスランピング加工。

ツールパス誤差


最大ランピング角度でのプログレッシブランピング加工。
最大ランピング角度に対するノーズRの影響
例:
グラフの曲線は、最小と最大半径に対して有効です。中間半径については、値を補間してください。

工具径、Dc mm

= チップサイズ 22

= チップサイズ 16
2軸 ヘリカル加工

工程での考慮事項
ヘリカル加工には、主要な検討事項が3つあります。正しく対処しない場合は、問題が発生します。
- 穴サイズに合わせてのカッター径の選択
- 回転あたりのピッチ
- 送り速度
1. 穴サイズに対するカッター径の選択

センターカッター以外のカッターを使用する場合は、カッターサイズの選択が非常に重要です。正しいカッター径を選択すると、チップが確実に穴の中央線上で切削します。
カッター径が小さすぎる場合は、トレパニング加工のように中心にコアが残ります。これは、大きい切り抜き (「マンホール」) では許容されますが、コアが落下する際に支持する必要があります。
カッターが大きすぎる場合は、穴の中心線に内接せず、へそが形成され、カッターの底面で詰まります。最大穴径
- 途切れない1つのらせんで作製される最大穴径、Dmは、2 x D3です
- これはフル溝加工であり、止り穴の中央にへそが残ります
- へそは、中央への送りによって除去され、フラットな底面になります

最大穴径Dm


フラットな底面の径のフライス加工
- 止
- り穴の底面には、へそが残らないようにします。ノーズRのサイズを検討してください
- ん


最小穴径Dm

最小穴径Dm

貫通穴の最小径
- す。
- 。
- 丸チップの場合は、bをb = 0.8 x iCで算出する必要があります
- へそは除去できません。
2. ピッチ (P)

ピッチは必ず、カッターコンセプトの最大ap以下となり、穴径、カッター径、および傾斜角度によって変わり
ます。
3. 送り速度
送り値は常にhex値(ねじれ角)に左右され、外周送り速度vfmに対応しています。しかし、多くの工作機械では、工具中心送りvfを計算する必要があり、これを計算する必要があります。




Dvf = プログラムされたカッターパス
プログラムされた送り速度:
vfm = ノーズR補正を使用する場合
vf = 工具中心送りを使用する場合
外径ヘリカル加工

外径ヘリカル加工 (3軸)

外径コンタリング加工 (2軸)
良好な外径コンタリング加工とは
内径ヘリカル加工との比較-
- 工具中心送りvfを下げるのではなく、上げます
- 外径ヘリカル加工時には、径方向の切込みaeがはるかに小さくなるため、より高い切削速度を使用できます
- hexは、エッジ加工と同様に計算します。
- プログラミングは、穴の内径ヘリカル加工の場合と非常に似ています。



スライス加工方法
スライスおよびトロコイド加工方法は、当初、高硬度鋼 (ISO H)、耐熱合金 (HRSA, ISO S) といった難削材の荒加工および中荒加工用に開発されましたが、その他の被削材に使用することもでき、特にびびりやすい加工に使用されています。 トロコイド加工は、主に穴加工に使用されます。 スライス加工は、通常コーナの中荒加工に使用されます。 いずれの加工方法も、非常に安定して生産性が高いことが証明されています。 スライス加工およびトロコイド加工の技術は、小さな径方向切込み... chevron_right
穴とキャビティ/ポケットのフライス加工
2軸ランピング加工 ヘリカル加工 コンタリング加工 外径ヘリカル加工またはランピング加工 プランジ加工 ペックドリリング加工 スライス加工法 閉鎖ポケットまたは閉鎖角 穴のフライス加工:開口部の作成 中実ワークでの開口部の作成 穴またはキャビティの拡張 キャビティまたはポケットの加工/拡張 中実ワークでの開口部の作成 ランピング加工 ペックドリリング加工 溝の作製 穴のフライス加工時には常に、ペックドリリング加工よりランピング加工... chevron_right
プランジ加工
良好なプランジ加工とは プランジ加工では、外周ではなく、工具の端で切削が行われるため、主に径方向から軸方向へと切削抵抗が変化するという利点があります。通常、プランジ加工は、びびりのために側面フライス加工が不可能な場合に代替方式として使用されます。 例: 工具突出し量が4DCを超える場合 剛性が十分でない場合 コーナーの中仕上げ用 チタン合金などの難削材用 また、機械の動力またはトルクが限られている場合の代替方式としても使用されます。 注意: 良好な条件の場合は、プランジ加工は切りくず排出量が少ないため、第一推奨ではありません。 工具の選び方 カッターの選択は、主に径の大きさで決まります。 プランジ穴あけ 穴あけ工具によるプランジ加工の方が、約DC... chevron_right
肩削りフライス加工
肩削りフライス加工には以下の加工が含まれます。 肩削り/ 正面フライス加工 エッジ加工 - 外周加工 たわみのある薄壁の肩削りフライス加工 肩削り/ 正面フライス加工 良好な肩削り/... chevron_right