Sandvik Coromant logo

外径溝入れ加工

溝入れ加工における主要な課題は高い生産性の達成にあります。外径溝入れ加工は一般に突切り加工ほど難しい加工ではないため、加工安定性は比較的容易に達成されます。そのため特に幅の広い溝の場合には、生産性の向上が主要な課題となります。幅の広い溝は小さな溝よりも加工に時間がかかり、部品全体の加工時間に大きな影響をもたらすからです。

外径溝入れ加工方法

深溝では長い突出し量が必要となり、切りくずの排出が難しく、刃先へ確実にクーラント供給するのが困難なため、加工安定性が課題です。一発溝入れ加工は、溝を作るのに最も経済的で生産性の高い加工法です。しかし、溝の深さがチップ幅より深いときは、突込み溝入れ加工、横引き旋削加工、ランピング加工または倣い加工を使用して溝を加工します。外径溝入れ加工には高精度クーラント対応工具が第一推奨です。

加工のヒント 外径溝入れ加工方法

一発溝入れ加工

一発溝入れ加工は経済的で生産性の高い溝入れ加工法です。一発溝入れ加工を行う場合は、以下の点を考慮しなければなりません。

  • 加工面品質が非常に重視される場合には、ワイパーテクノロジーのチップブレーカを使ってください
  • 必ず、公差が厳しく、コーナRと幅の適切なチップを使用してください。研磨チップをお勧めします(例-GF)
  • 量産加工を行う場合は、適切な形状とランドのチップを使用してください。標準製品ラインナップで見つからない場合、テーラーメイドチップでお探しください

幅の広い溝の荒加工

幅の広い溝の加工やショルダー間の旋削加工に最もよく用いられるのは、以下の加工方法です:

  • 突込み溝入れ加工
  • 横引き旋削加工
  • ランピング加工

これら3つの加工方法は荒加工で、別途仕上げ加工をする必要があります。

目安:溝幅が深さより狭い場合は、突込み溝入れ加工を使用してください;戻りが正確な場合は横引き旋削加工を使用してください。しかし、細い部品の場合はランピング加工を使用することもあります。

突込み溝入れ加工

  • 深く広い溝用(深さが幅より大きい)
  • 最終切削用(4、5パス目)に残すフランジはチップ幅(CW -2 x コーナR)より狭いこと
  • フランジを加工する際は送りを30~50%上げてください
  • 第一推奨のブレーカは-GMです

横引き旋削加工

  • さらに広く浅い溝用(幅が深さより広い)
  • ショルダーに向かう送りはしないこと
  • 第一推奨のブレーカは-TFおよび-TMです

ランピング加工(旋削/倣い加工)

  • 優れた切くず処理
  • 径方向の切削抵抗および境界摩耗の最小化
  • 第一推奨のブレーカは-ROおよび–RMです

溝の仕上げ旋削加工

  • 選択肢1 旋削ブレーカを使用する
  • 選択肢2 倣い加工用チップブレーカを使用する。例:大きなRの溝
  • 軸方向および径方向の推奨切込み深さ:0.5~1.0 mm (0.02–0.04 inch)
 
finishing-a-turning-groovefinishing-a-turning-groove finishing-a-turning-groove finishing-a-turning-groove
 

旋削加工と外径溝入れ加工

突切り・溝入れチップでの旋削加工

  • 横引き旋削加工時にはチップのコーナRより大きい切込み(ap) を使用してください
  • ワイパー効果 ー 切込みあたりの送り速度 (fn/ap) は、工具やチップのわずかなたわみを予防するため比較的高くする必要があります。これにより刃先と加工面の間にクリアランスが生まれます
  • fn/apが低すぎると、工具がこすれ、びびりが発生し加工面品質が低下します
  • 最大切込み (ap) はチップ幅の75%です

加工面品質

Ra

µm









送りfn

mm/r

inch/r

TNMG 160404
TNMG 160408
突切り・溝入れチップ -5 mm -RM
突切り・溝入れチップ -4 mm -TF
突切り・溝入れチップ -6 mm -TM

この図が示すのは、04または08コーナRのTNMGチップと比較した、突切り・溝入れチップの加工面品質です。

溝の旋削加工

横引き旋削加工では工具やチップにたわみが生じます。しかしたわみが大きすぎると、びびりや破損が起こります:

  • 厚めのブレードのほうがたわみが小さくなります
  • 突出し量 (OH) が少ない方が、たわみ (δ) が小さくなります
  • 長い工具や薄い工具での旋削加工は避けてください

突出し量が少ない方が横方向へのたわみが小さくなります

ぬすみ加工と外径溝入れ加工

多くの部品は研磨加工またはねじ切り加工が必要です。ショルダー部の研磨加工またはねじ切り加工を行うには、クリアランスが必要です;そのため、ぬすみ加工専用のチップの使用をお勧めします。例:T-Max Q-Cut® およびCoroCut® 1・2

関連情報

旋削加工において良好な部品品質を達成する方法

旋削加工される部品の良好な品質、切りくず処理を達成することは、考慮すべき最重要要素の一つです。良好な部品品質を達成するために、適切な切削条件を選択して、加工のヒントをご確認ください。 良好な切りくず処理 切りくず処理は旋削加工で重要な要因の一つであり、主な切りくず処理の選択肢は次の3つです。 自己破断(ネズミ鋳鉄など) 工具にぶつかって破断 加工物にぶつかって破断 自己破断 工具にぶつかって破断 加工物にぶつかって破断 切りくず処理に影響する要素 チップブレーカ: 切りくずは、切りくず溝の幅と刃先形状および工具形状により、開いた、あるいは圧縮された形状になります ノーズR: ノーズRが小さい方が、大きなノーズRよりも切りくずをコントロールできます 切込み角(アプローチ角): 角度に応じて、切りくずはさまざまな方向に向かいます。たとえば、... chevron_right

​メインフィッティング

一般的にランディングギア部品には、メイン/ノーズ/センターフィッティング、ピストン/スライダー、トラック/ボギービーム、ドラッグブレースとリンクといった部品があります。主に材質は300Mに代表される高合金鋼ですが、近年のトレンドとしてTi5553のようなチタン合金が使用される傾向があります。メインフィッティングの加工においては、深穴加工、内径旋削加工、形状フライス加工が特に困難な加工となります 。 コロミル690 材質:チタン合金-Ti5Al-5V-5Mo-3Cr 部品:エンジンストラット クーラント:外部給油 生産性の向上率:40% 工具寿命の伸び率:... chevron_right

CoroCut® QI

最適なチップシート角度が軽快な切削および切削抵抗の低減を実現 スクリュークランプツールホルダにより、高い加工安定性を確立 高い刃先品質のチップが工具寿命を延長し、加工面品質を向上 端面溝入れ加工: ミリ仕様サイズ... chevron_right

概要

機械導入後すぐに利益を出すために 新しい機械の購入は、生産性の向上、機械稼働率のアップ、加工部品当たりコストの低減という見返りを期待しての大きな投資です。スタートアップツールキットは、新しい機械導入後すぐに利益をもたらすことを確実なものとし、投資効果を最大のものにすることができます。 最も一般的なターニングセンタおよび小型自動旋盤用の多様なスタートアップツールキットをご用意しました。各キットは代表的な工具とチップで構成されています。 新しい機械用にスタートアップツールキットをご購入いただきましたか?ありがとうございます。サンドビック・ コロマントがお客さまのセットアップを適切に最適化するお手伝いを致します 。 適切なツールキットを見つける ターニングセンタ マシンインターフェースサイズ、ミリ仕様またはインチ仕様および加工... chevron_right

ニュースレターでは最新の情報をご提供しています。

ぜひご登録ください。

account_circle

ようこそ,