Sandvik Coromant logo

スレッドミリング加工用トラブルシューティング

加工後に、チップの刃先を注意深く分析することで、工具寿命やねじ加工品質に関して、より良い結果が得られるようになります。さまざまなタイプのチップ摩耗に、この原因と対策のリストを活用して、良好なスレッドミリング加工の参考としてください。


  • 刃先の切削に使われていない部分がチップハンマリングにより損傷を受けると、加工面が粗くなったり、激しい逃げ面摩耗の原因となります
  • 切削速度を上げる
  • 切削開始時の送りを下げる
  • 剛性を改善する
  • パス回数を増やす
  • 仕上げ刃付きチップを使用する

構成刃先が脱落すると、加工面粗さが低下し、刃先がつぶれます。

  • 切削領域の温度が低すぎる
  • 低炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等非常にねばい被削材
  • 切削速度または送りを上げる
  • オイルミストか切削油を使用する

  • 過度の摩耗は刃先を弱くする原因になります。
  • 刃先が刃こぼれすると、加工面品質が悪くなる原因となります
  • 速度を下げて温度を下げる
  • 送りを下げる

  • 切削油のかかり方にムラがある、あるいは断続加工を行うと、刃先の温度が変動して切刃に垂直に亀裂が発生します。その結果チップの刃先がつぶれ、加工面品質が悪くなります。
  • 切削油を十分に供給するかまったく供給しない
  • 切削速度を下げる

刃先の塑性変形、刃先のダレや逃げ面圧迫は、切りくず処理の不良、加工面粗さ不良やチップ破損の原因となります。

  • 切削温度と切削圧が高すぎる
  • 切削速度を下げる
  • 送りを下げる

急激な摩耗による加工面品質の低下または公差外れ

  • 刃先の切削に使われていない部分がチップハンマリングにより損傷を受けると、加工面が粗くなったり、激しい逃げ面摩耗の原因となります
  • 切削速度を上げる
  • 切削開始時の送りを下げる
  • 剛性を改善する
  • パス回数を増やす
  • 仕上げ刃付きチップを使用する

過度の摩耗は短い工具寿命、加工部品のバリの発生、粗い加工面、発熱および過度の加工のイズの原因となります。

  • びびり
  • 切りくずの再切削
  • 部品にバリが発生
  • 加工面が粗い
  • 発熱
  • 過度のノイズ
  • 送り (fz) を上げる
  • 速度を下げる
  • ダウンカットで切削
  • エアーブローを使用して切りくずを強制的に排出する
  • 推奨切削条件を確認する

不均一な摩耗は、コーナ欠損、短い工具寿命、粗い加工面および高い加工ノイズの原因となります。

  • 工具の振れ
  • びびり
  • 工具寿命が短い
  • 加工面が不良
  • ノイズレベルが高い
  • 径方向の抵抗が高すぎる
  • チャックとコレットを点検する
  • 工具突出し量を最小にする
  • 刃数の少ない工具を使用する
  • 軸方向の切込み (ap) を複数パスに分ける
  • 送り(fz) を下げる
  • 切削速度 (vc) を下げる
  • 高速加工では浅いパスが必要
  • ワークと工具のクランプ状態を改善する


  • 治具が弱い
  • 工具突き出し量が多すぎる
  • ワークと工具のクランプ状態を点検する
  • 突き出し量を最小にする
  • バイトホルダの振れを点検する
  • 刃数の少ない工具を選ぶ
  • パス回数を増やす
  • 刃当たり送りを上げる
  • 切削速度を下げる
  • 仕上げでアップカットを使用する


  • 切りくず排出が不十分
  • エアーブローまたは十分な量の切削油を使用する。内部給油が望ましい。
  • 刃当たり送りを下げる
  • パス回数を増やす

  • 加工硬化材の加工
  • 黒皮および鍛造肌
  • 切削速度を下げる
  • よりじん性の高い材種を選択する
  • 切削速度を上げる


  • 機械の回転数が低すぎる
  • テーブル送りの前に切削速度を下げる
  • 小径カッターを使用してパス回数を増やす


  • 切削抵抗が高すぎる
  • 工具長を短くする
  • アップカットを使用する
  • 送りを下げる
  • パス回数を増やす
  • 単条チップを使用する


  • 切りくず排出の悪化
  • 負荷が大きすぎる
  • 不安定
  • エアーブロー、エマルジョンまたは内部給油を使用する
  • 2パスまたは3パスに分けて切削する
  • 送りを下げる
  • バイトホルダを点検/交換する
関連情報

トラブルシューティング

この原因・ソリューションリストを使用して、良好なスレッドワーリング加工を行ないます。正しいプログラミングのためにスレッドワーリング加工計算アプリの使用を推奨します。 1. ねじ山寸法が不良... chevron_right

トラブルシューティング

ボーリング加工のトラブルシューティングのヒント – 荒ボーリング加工よファインボーリングの両方 – 切りくず処理に関しては、工具のびびりおよび機械動力の限界により、以下が発生します。 荒ボーリング加工のトラブルシューティング 切りくず処理 短すぎる、硬い切りくず 送りが高すぎる 切削速度が低すぎる 不適切なブレーカ 送りを下げる 切削速度を上げる チップブレーカを開きの大きなものに変更する 切りくず処理 長すぎる切りくず 送りが低すぎる 切削速度が高すぎる 不適切なブレーカ 送りを上げる 切削速度を下げる チップブレーカを開きの小さなものに変更する 工具びびり 工具長さとカップリングサイズの比率が大きすぎる 可能な限り大きなカップリングサイズを使用する 防振型ボーリングツールを使用する/をより短くする 不安定な加工条件 スピンドル接地面にしっかりクランプしていることを確認する 荒加工用ツインエッジボーリング工具を使用する 工具アセンブリのすべてのユニットが適切なトルクで正しく組み付けられているかチェックする 機械主軸、クランプ、摩耗などをチェックする 送りが低すぎる 送りを上げる 送りが高すぎる 送りを下げる 切削速度が高すぎる 切削速度を下げる 切込みが大きすぎる ステップボーリングを行う 切削抵抗が高すぎる 切込みを小さくする ポジチップを使用する ノーズRを小さくする ワイパーチップは、突出し量が長い場合や加工条件が不安定な場合には推奨できない 切削力抵抗が低すぎる 切込みを大きくする 機械動力 機械動力不足 大径のボーリング加工では、特に荒ボーリング加工では、機械の出力とトルクが十分であることを確認してください。 切削条件を下げる ステップボーリングを行う ファインボーリングのトラブルシューティング 切りくず処理 短すぎる、硬い切りくず 送りが高すぎる 切削速度が低すぎる 不適切なブレーカ 送りを下げる 切削速度を上げる チップブレーカを開きの大きなものに変更する 切りくず処理 長すぎる切りくず 送りが低すぎる 切削速度が高すぎる 不適切なブレーカ 送りを上げる 切削速度を下げる チップブレーカを開きの小さなものに変更する 工具びびり 切削抵抗が高すぎる 可能な限り大きなカップリングサイズを使用する 軽切削チップを使用する ノーズRを小さくする 薄膜コーティングやノンコートのシャープなチップを使用する ワイパーチップは、加工状態が不安定な場合、突出し量が長い場合、不安定な加工条件には推奨できません。 小さいノーズRを使用する 切込みを小さくする 工具長さとカップリングサイズの比率が大きすぎる スピンドル接地面にしっかりクランプしていることを確認する 可能な限り大きなカップリングサイズを使用する 可能な場合、アセンブリを小規模なものにする 防振型ボーリングツールを使用する 不安定な加工条件 スピンドル接地面にしっかりクランプしていることを確認する 工具アセンブリのすべてのユニットが適切なトルクで正しく組み付けられているかチェックする 機械主軸、クランプ、摩耗などをチェックする 送りが高すぎる 送りを下げる 切削速度が高すぎる 切削速度を下げる 切削がスムーズに行われず振動が発生 切込みを大きくする 機械動力 機械動力不足 大径のボーリング加工では、特に荒ボーリング加工では、機械の出力とトルクが十分であることを確認してください。 びびり 速度を下げる... chevron_right

トラブルシューティング

加工後にチップの刃先を注意深く点検することで、工具寿命、ねじ山の品質、切削速度を良好に保つための参考になります。この原因と対策表をさまざまなチップ摩耗に照らし合わせてご確認ください。 塑性変形 塑性変形の始まり(A)、 それが進行して刃先のチッピング... chevron_right

トラブルシューティング

びびりの問題、切りくず詰まり、切りくずのリカット、好ましくない加工面品質、バリの発生、機械動力および工具の摩耗に関するフライス加工のトラブルシューティングのヒントが以下の表に記載されています。 原因 解決策 びびり 治具が弱い 切削抵抗の方向を確認して適切なサポートを付けるか治具を改善する 切込み... chevron_right

ニュースレターでは最新の情報をご提供しています。

ぜひご登録ください。

account_circle

ようこそ,