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ねじ切り旋削工具の段取り

工具の段取りは、ねじの品質とねじ切りの効率に大きな影響を及ぼします。第一原則はできる限り短い突き出し量を使用することです。

外径ねじ切り旋削用の上下逆さまのツールホルダ

多くの加工では、切りくずをさらに効率良く排出するためにツールホルダを逆さまに取り付けて使用する(ドロップヘッドホルダ)ことが有効です。ドロップヘッドツールホルダは逆さまのねじ切り旋削用に特に開発されたもので、タレットのクランプを交換することなく、またはY軸を使用して適切な芯高を保持できます。

従来のツールホルダ 逆さバイトホルダ
 

内径ねじ切り旋削用ツールホールディング

ねじ切り旋削においては、径方向の切削抵抗は軸方向の切削抵抗よりずっと大きいため、 一般的なねじ切り加工に比べて、突き出し量を短くする必要があります。

内径旋削では通常突き出し量が長くなるため、これがとても重要になります。特に内ねじ切り旋削では、径方向の切削抵抗が大きくなるため、工具の曲がりやびびりのリスクがあります。

ボーリングバイトの選択は内径ねじ切り加工の効率に大きく影響します。突き出し量の長さと必要な安定度に応じて、主に4種類のボーリングバイトを使用することができます。

鋼ボーリングバイト

  • 最大突出し量 2~3 x 穴径
  • バイト径10–40 mm (0.4–1.5")

超硬ボーリングバイト

  • 最大突出し量 5 x 穴径
  • バイト径16 mm (0.63")

鋼製防振型ボーリングバイト (Silent ToolsTM) を参照してください。

  • CoroTurn SLカッティングヘッドと一緒に使用する
  • 最大突出し量 5 x 穴径
  • バイト径40、50、60 mm (1.5、2.0、2.4")
  • 突切り・溝入れ加工用にも使用できます

超硬ボーリングバイト

  • CoroTurn SLカッティングヘッドと一緒に使用する
  • 最大突出し量 5 x 穴径
  • バイト径16、20、25 mm (0.63、0.75、1.0")

​ボーリングバイトのたわみは、ボーリングバイトの素材、径 (dmm)、突出し量、切削力に左右されます。スリーブ付きのボーリングバイトホルダの推奨クランプ長さは4 x バイト径です。

 

ねじ切り旋削工具のメンテナンス

工場内で工具メンテナンスのルーチンを確立することで、トラブルを回避しコスト節約が可能です。

チップシートをチェックする

加工中あるいは取扱い中に、チップシートが破損していないか確認することが重要です。加工中に発生した汚れや切りくずがチップシートに付着していないことを確認してください。必要に応じて、圧縮エアーでチップシートを清掃してください。

トルクレンチ

スクリュークランプのツールホルダで最高の性能を達成するために、トルクレンチを使用しチップを正しく締める必要があります。それぞれのツールホルダ用の推奨トルク (TQ) を使用してください。

  • トルクが高すぎると、工具性能に悪影響を与え、チップとスクリューの破損原因となります。
  • トルクが低すぎると、チップのずれやびびりの発生、切削成果の低下の原因となります。

スクリューのクランプ

スクリューに潤滑剤を十分塗布して固着を防止すること。潤滑剤はスクリューのねじにもスクリューヘッド面にも塗布してください。摩耗または損傷したスクリューは交換してください。

 

突出し量

工具を最適な状態に段取りするため、できる限り突出し量が短いツールホルダを使用するとびびりを避けることができます。可能ならサブスピンドルまたはサポート用のテールストックの使用をお勧めします。

内径ねじ切り旋削では、長い突き出し量が最も一般的です。突出し量の長い加工においては十分な長さでのクランプを確実なものとするため、バイトを適切に取り付けることが特に重要です。推奨クランプ長さは、ボーリングバイトの設計により2.5~5 x バイト径(D)です。これにより安定した工具の段取りが実現します。

ボーリングバイトの最適な性能を引き出すには、工具とツールホルダとの接触状態、構造、および寸法公差が重要な要素です。バイトが完全に包み込まれるようクランプされるホルダを使用することで、最高の剛性が得られます。スクリュー付きのV型バイトホルダとスクリュー付きの円筒シャンクホルダは推奨しません。


バイトを完全に包み込むホルダ
 

V型バイトホルダ
 

スクリュー付き円筒ホルダ
 
 

円筒ボーリングバイトとアダプタはスプリットスリーブにクランプすることが可能です。大きなボーリングバイトとアダプタはスプリットベアリングキャップを2個使用してクランプすることができます。



スプリットスリーブで組み付けた工具
 
 

スプリットベアリングキャップ2個で固定した工具
 

ツールホールディング

Coromant Capto®はモジュラー式のクイックチェンジツーリングコンセプトです。直接スピンドルと結合すると、例えば複合加工機、旋削能力のあるマシニングセンタ、および立旋盤で安定性と汎用性が向上します。

Silent ToolTMアダプターは工具内の防振機構によって、びびりを最小限に抑えるように設計されています。Silent ToolsTMを利用されるお客様のほとんどが突き出し量が長い加工で使用しています。しかしながら突出し量が短い (3 x D) 場合でも、生産性が大幅に向上し、加工面品質の改善も得られます。

イージーフィックススリーブは円筒アダプタの段取り時間の短縮を可能にする解決策です。スリーブに取付けられているスプリングプランジャーが、バイトの溝に入り適切な芯高を保証します。イージーフィックススリーブは高圧クーラントも使用できます。

CoroTurn® SLはカッティングヘッド交換式アダプタのモジュラーシステムです。少量の在庫のアダプタとカッティングヘッドから様々な工具の組み合せを構築することができます。

QSTMホールディングシステムは、小型旋盤での有効生産時間を最大限にするクイックチェンジツールホルダです。

関連情報

工具の段取り

突切り・溝入れ加工で品質の良し悪しを左右するのは、主に工具システムとこのシステムが切削の被削材とともにどのように使われるかです。 突出し量 突切り工具を最適な状態に段取りするため、突出し量が短いツールホルダを使用するとびびりを避けることができます。可能ならサブスピンドルの使用をお勧めします。 突出し量の長い加工においては十分な長さでのクランプを確実なものとするため、バイトを適切に取り付けることが特に重要です。推奨のクランプ長さは4バー径dです。これにより安定した突切り工具の段取りが実現します。円筒アダプタはスプリットスリーブにクランプすることが可能です。大きなアダプタはスプリットベアリングキャップを2個使用してクランプすることができます。 ツールホールディング 正しいツーリングシステムにより、生産性と切削工具の性能が大幅に向上します。 Coromant... chevron_right

シャフト

高合金鋼やインコネル製の部品において、加工における問題は長さと複雑な内部形状です。複合加工機の進化とともに、シャフトの製造も大きく進化を遂げています。Coromant... chevron_right

スラストフィッティング

スラストフィッティングは通常、チタン合金が使用され、主翼とエンジンの間に配置されます。突出し量の長い工具での加工が必要となります。 航空機のスラストフィッティング加工用ツーリングソリューション CoroMill... chevron_right

CoroCut® QF

端面溝入れ加工用CoroTurn SLカッティングヘッド モジュラー式で、非常に頑丈なセレーションロック (SL) インターフェースSLヘッドを軸方向に取付けることにより、安定性と剛性が向上... chevron_right

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